公開日 2024年2月11日 / 最終更新日 2024年2月11日
CSL Test JP_Web
はじめに
これは、筆者作成のCSLファイルの使い方や動作説明をしたドキュメントである。 CSL(Citation Style Language)とは、参考文献リストであるBibTex(.bib)ファイルを元に引用や参考文献のフォーマットを定義したものであり、これを用いることで引用・参考文献書式が自動で適切な形に整えられる。 このCSLの最大の特徴は、従来のCSLでは難しかった英語と日本語の文献を同時に扱うことができる点にある。
なお、英語か日本語か(英語の書式を使うか日本語の書式を使うか)の判別は、BibTeXファイル(.bib)のnoteフィールドが空か否かで判断している。そのため、noteに何かを記入すると、日本語であると判断されてしまうので、文献管理ソフト(Zotero等)で注釈を入れる際には留意する必要がある。
書式判別例:
@article{EN1, % 英語と判断される
author = {Turing, Alan M.},
title = {Computing Machinery and Intelligence},
journal = {Mind},
year = {1950},
volume = {59},
number = {236},
pages = {433--460},
doi = {10.1093/mind/LIX.236.433},
publisher = {Oxford University Press}
}
@article{JP1, % 日本語と判断される
title = {マグカップの妖精は存在するのか?食器の自動洗浄実験},
volume = {1},
url = {https://ojs33.crossref.publicknowledgeproject.org/index.php/test/article/view/9},
DOI = {10.5555/2014-04-01},
number = {1},
journal = {心理陶磁学誌},
author = {山田, 花子 and 鈴木, 一郎},
year = {2008},
month = {Feb.},
note = {japanese}
}
@book{EN2, % noteフィールドがないので英語と判断される
author = {J.K. Rowling},
title = {ハリー・ポッターと賢者の石},
translator = {松岡, 佑子},
publisher = {静山社},
year = {1999},
URL = {https://library.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1MN1?S00101=J00DTL04&S00222=2888690},
}
@book{JP2, % noteフィールドが空ではないので日本語と判断される
author = {Antoine de Saint-Exupéry},
translator = {Katherine Woods},
title = {The Little Prince},
publisher = {Harcourt, Brace & World},
year = {1943},
address = {New York},
isbn = {978-0156012195},
URL = {https://amzn.asia/d/5sXCo83},
note = {星の王子さまの英語版}
}
@EN1
は英語の書式が適用される(Turing 1950a)。@JP1
は日本語の書式が適用される(山田・鈴木 2008a)。@EN2
は日本語で書かれているものの、英語の書式が適用される(Rowling 1999a)。@JP2
は英語で書かれているものの、日本語の書式が適用される(Saint-Exupéry 1943a)。
Alan M. Turing (1950a)“Computing machinery and intelligence”, Mind, vol. 59, No. 236, pp. 433–460
山田花子・鈴木一郎 (2008a) 「マグカップの妖精は存在するのか?食器の自動洗浄実験」、 『心理陶磁学誌』 、 第1巻1号
J. K. Rowling (松岡佑子 Tran.) (1999a)ハリー・ポッターと賢者の石, 静山社
Antoine de Saint-Exupéry (Katherine Woods訳) (1943a) 『The little prince』、 Harcourt, Brace & World
学術論文(article-journal)の確認
引用部は (著者の姓 出版年)
とし、参考文献欄は
英語の場合、
著者(出版年) “論文タイトル”, 投稿したジャーナル名, vol.
n
, No.m
, pp.最初のページ数
-最後のページ数
日本語の場合
著者(出版年) 「論文タイトル」、 『投稿したジャーナル名』、 第
n
巻m
号、 pp.最初のページ数
-最後のページ数
とする(戸田山 2022)。
学術論文の場合は、DOI(Digital Object Identifier; デジタルオブジェクト識別子)が付けられることが一般的なため、論文タイトルをそのDOIのURLにすることが多い。
英語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(Turing 1950b)となり、2人では&
で繋ぐので(Shannon & Weaver 1948)となる。3人以上はet al
とする(Kernighan et al. 1978, Berners-Lee et al. 1992)。 なお、このet al
をitalic (斜体)にしたいのだが、何をどう頑張ってもできない。
日本語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(山田 2008)となり、2人では・
で繋ぐので(山田・鈴木 2008b)となる。3人以上はら
とする(照井 ら 2222, 山田 ら 2008)。
雑誌(article-journal)の確認
引用部は (著者の姓 出版年)
とし、参考文献欄は
英語の場合、
著者(出版年) “論文タイトル”, 雑誌名, vol.
n
, No.m
, pp.最初のページ数
-最後のページ数
日本語の場合
著者(出版年) 「論文タイトル」、 『雑誌名』、 第
n
巻m
号、 pp.最初のページ数
-最後のページ数
とする(戸田山 2022)。
英語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(Gladwell 2000)となり、2人では&
で繋ぐので(Friedman & Mandelbaum 2010)となる。3人以上はet al
とする(Lewis et al. 2009, Silver et al. 2020)。 なお、このet al
をitalic (斜体)にしたいのだが、何をどう頑張ってもできない。
日本語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(吉田 2000)となり、2人では・
で繋ぐので(吉田・西 2000)となる。3人以上はら
とする(吉田 ら 2000a, 2000b)。
新聞記事(article-newspaper)の確認
引用部は (著者の姓 掲載年)
とし、参考文献欄は
英語の場合、
著者(掲載年) “論文タイトル”, 新聞名, 掲載年, 掲載ページ
日本語の場合
著者(掲載年) 「論文タイトル」、 『新聞名』、 掲載年、 掲載ページ
とする。
英語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(Kristof 2019)となり、2人では&
で繋ぐので(Haberman & Baker 2020)となる。3人以上はet al
とする(Davis et al. 2020, Mazzetti et al. 2019)。 なお、このet al
をitalic (斜体)にしたいのだが、何をどう頑張ってもできない。
日本語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(安藤 2019)となり、2人では・
で繋ぐので(安藤・尾和 2019)となる。3人以上はら
とする(安藤 ら 2019, 和田 ら 2019)。
Webページ(webpage)の確認
引用部は (著者 掲載年)
となる。掲載年とするか、最終更新年とするかは悩ましいところで、どちらを採用するにしてもレポート・論文内ではどちらかに統一すべきである。なお、Webページによっては公開年(最終更新年)が不明な場合もある。その場合は(n.d.)
(no dateの略)を用いる。
参考文献欄は、英語の場合、
著者(掲載年) “Web記事タイトル”, Webサイト名, 掲載日, Accessed
閲覧日
.URL
日本語の場合は、
著者(掲載年) 「Web記事タイトル」、 Webサイト名, 掲載日, 閲覧日
閲覧日
.URL
とするのが、適切だと考える。特に閲覧日は重要なので必ず記載したい。そのため、.bib(BibTeX)ファイル
に urldate
としてYYYY-MM-DD
の形で入力すること。(date
は公開日もしくは最終更新日を入力)
@online{Key,
author = {姓, 名},
title = {Web記事のタイトル},
date = {2020-11-12},
url = {https://example.com/},
urldate = {2024-02-09},
publisher = {Webサイト名},
note = {japanese}
}
英語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(Rosenberg 2020)となり、2人では&
で繋ぐので(Harari & Keydar 2019)となる。3人以上はet al
とする(Markoff et al. 2021, Silver et al. 2018)。 なお、このet al
をitalic (斜体)にしたいのだが、何をどう頑張ってもできない。
日本語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(北原 2020)となり、2人では・
で繋ぐので(森川・緒方 2020)となる。3人以上はら
とする(北原 ら 2020a, 2020b)。
書籍(book)の確認
引用部は (著者の姓 出版年)
とし、参考文献欄は
英語の場合、
著者(出版年), 書名, 出版社
日本語の場合
著者(出版年) 『書名』、 出版社
とする(戸田山 2022)。英語の場合は(出版年)の後に,
が付く。
英語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(Harari 2015)となり、2人では&
で繋ぐので(Friedman & Mandelbaum 2011)となる。3人以上はet al
とする(Piketty et al. 2014)。 また、翻訳された本については(Saint-Exupéry 1943b)とする。
日本語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(秋山 2001)となり、2人では・
で繋ぐので(秋山・☆ 1999)となる。3人以上はら
とする(秋山 ら 1998)。 また、翻訳された本については(Rowling 1999b)とする。
単行本に収録されている論文(chapter)の確認
引用部は (著者の姓 出版年)
とし、参考文献欄は
英語の場合、
論文著者(出版年) “論文タイトル”, 編者
ed.
書名, 出版社, pp.最初のページ数
-最後のページ数
日本語の場合
論文著者(出版年) 「論文タイトル」、 編者
編
、 『書名』、 出版社、 pp.最初のページ数
-最後のページ数
とする(戸田山 2022)。
英語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(Dawkins 2000)となり、2人では&
で繋ぐので(Axelrod & Hamilton 1981)となる。3人以上はet al
とする(Kahneman et al. 2000, Latour et al. 1999)。
日本語文献の確認
著者が1人の場合の引用は(秋山 2014)となり、2人では・
で繋ぐので(山田・鈴木 2000)となる。3人以上はら
とする(山田 ら 2000)。
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